klarer-himmel13's diary

(旧)図書館の中では走らないでください!から

次世代OPACってどんなものだろう?その1―次世代OPACの特徴ざっくり

「次世代OPAC」…って何だろう?
という今更感が漂う話題に着手します。

まず「次世代OPAC」という言葉ですが、これはなんとも定義のしにくい(できない)言葉であるといえましょう。OPACの研究、開発、利用促進が同時に進められているというのが今の現状だと思われます。
では、私がいろいろな文献を読む限りで特徴をまとめますと

1.使いやすいこと―「直感的なインターフェイス」と言われることも
2.検索がシンプルにできる
3.検索結果に対して絞り込み機能が充実、かつ容易であること
4.新たな書誌情報(表紙の画像、ほかのリソースとの協力など)
5.レレバンスランキング
6.利用者の情報―利用者自体の情報(検索履歴や所属など)や利用者による情報―を利用する。

何かが足りない気もしますが、とりあえずこれでいきます。
先月号の『情報の科学と技術』*1に日本において次世代OPACに求められる機能が整理してありました。必須項目の中で日本語、日本の書誌への対応がまず挙げられていたことに、改めて気付かされるものがありました。学術文献が英語が主流を占めている中では、日本では「日本語⇔英語」対応のOPACは求められると思います。
贅沢をいえば日本語のキーワードで検索をした時に、原語などにも対応して検索くれるとありがたいです。自分の専門のタームの言語や訳語ぐらい知っておきなさい…と言われればそれまでですが。。
上記の論文に関してもうひとつ興味深かったことは、使いやすいOPACってなんだろう、みんなが使いたくなるOPACってどんなものだろうということです。

次世代OPACについて検討してくると、OPACの価値とはなんだろうという疑問が強くなってくる。GoogleやAmazonの網羅性にはかなわないし、機能向上の早さについても、遅れてしまうのは否めないだろう*2

どんなOPACならいいのだろう…どういう方向が望ましいのか。
久保山氏はさらにつづけて、GoogleやAmazonに使われるような機能を盛り込む、電子リソースや自館以外のリソースにも対応することで単館の所蔵検索システムにとどまらないOPACという姿と自館の所蔵システムとしてのOPACの二つの姿を提示していました。
自分の大学生の時のことを思い出すと、情けないくらいに探すのが下手でした…今でも上手とは言えないのですけど、ひどかったです。
何がひどかったかというと、検索するときに語を数パターンしか入力しなかったため、検索結果が膨大で探すのが嫌になるということが多々ありました。せいぜい著作者か漠然としたキーワードくらいです。(そりゃ見つかりにくいわなという)
そんな時には絞り込むためのヒントがあったらよかったなぁ…思います。

そう考えると「3.検索結果に対して絞り込み機能が充実、かつ容易であること」に興味がわくかもしれない。
リベンジを誓った「FRBE化」*3とともに次回以降のテーマにしましょう。

*1:久保山健「次世代OPACをめぐる動向:その機能と日本での展開」『情報の科学と技術』58巻12号(2008)、602-609頁

*2:同上、607頁

*3:昨日の日記を参照