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klarer-himmel13's diary

(旧)図書館の中では走らないでください!から

日本図書館研究会 情報組織化研究グループ月例研究会3月例会

図書館 行ってきました

3月14日@大阪樟蔭女子大学
発表者:菅野育子氏(愛知淑徳大学

EUにおけるMLA(博物館、図書館、文書館)連携を2009年2月にバージョン1が発表されたEuropeanaを中心に、最新の事例を報告していただきました。

欧州における図書館・文書館・博物館連携の最新動向:欧州デジタル・プロジェクトを中心に
  1. MLA連携の意義
  2. 欧州デジタルプロジェクト調査:2009年2月26日〜3月4日
    1. 訪問先1:Europeanaプロジェクトオフィス
    2. 訪問先2:フランス文化省
  3. MLA連携の契機としてのデジタル・プロジェクト

以下で詳細をまとめます。
1.MLA連携の意義
これまでのMLAの活動は、所蔵する資料をそれぞれがその範囲内で研究、提供、メタデータの作成をしてきた。いわば、横のつながりが弱いバラバラの活動であった。しかし、情報を共有しサービスを拡大するために連携がある一定の役割を果たす。
博物館は収蔵品の研究(来歴情報)に、図書館は資料に関する情報提供(メタデータ)に、公文書館は保存資料の解釈(歴史的意義)に強みを持っている。これらをまとめて、ワンクリックであらゆる資料を検索、その所在を知ることができたらより強い意義(予算をかける意味も含めて)が生まれる。
2.欧州デジタルプロジェクト調査:2009年2月26日〜3月4日
まずはEuropeana。これまでの道のりを簡単にまとめると以下のようになる。
2001年:Lund原則、(それをうけて)MINELVA(Plus)MICHAEL
2005年:i2010:Degital Libraries[
2007年:Europeana
2009年:Europeana ver.1
このEuropeanaは公開後アクセス集中のためダウンするほど話題になった。「ヨーロッパの文化と科学源をすべての人のためにアクセス可能に(Europe's cultural and scientific resource accessible for all)」を掲げ、各情報源、資料へのアグリゲーションの役割を果たす。各機関からデータを収集し、統合のための質的コントロールを行っている。
よって、自らが直接に資料のデジタル化にかかわるというわけでも、メタデータを作成しているわけでもなく、各機関から提供されたデータを統合するために質的なコントロールをしている。スタッフ陣は技術面だけではなく広報や資金獲得のためのスペシャリストがEUから集められているそうだ。ビジネスの面からMLAを支えようとしている点がEuropeanaの特徴である。
まだまだ始まったばかりのプロジェクトで、著作権、民間からの資金獲得、典拠コントロール、アグリゲーターの時点での情報(画像や目次情報など)提供、他のプロジェクトとの連携…等々課題もたくさんあるという。
次にフランス文化省でのデジタル・プロジェクトに関する調査。フランスは「文化の民主化(大衆化)」という理念の下、デジタル・プロジェクトの推進国である。前述したMICHAELもフランスが代表国をつとめ、フランス文化省は約1万点のメタデータコレクションを持ちMLAの相互運用をはかっている。またCulture.frという文化に関するデジタルリポジトリ、フランス国立図書館はポータルサイトGallica 2を公開している。このようにフランスにおいては国の政策として文化政策が安定した位置を占めていることが特徴的である。文化政策(教育は除く)が国家予算に占める割合は1%にものぼる。
3.MLA連携の契機としてのデジタル・プロジェクト
Europeanaの例から組織運営、ビジネスモデルは1つのMLA連携の刺激剤となる。このビジネスはデジタル・プロジェクトの面でより効果的になるのではないかという見解が示された。


感想など

  • アートドキュメンテーション学会関西部会の主催の研究会で、いつもと場所も参加者も異なった雰囲気でした。そうは言うものの、知った顔、あれれ?というように色々な方々にお会いしました。あまり声を掛けれなかったのは、名前が出てこなかったからです…ううう。
  • 「文化と科学」(文化が先)という面はヨーロッパだな…むしろ科学はアメリカに後れををとっているせいもあるでしょう。ヨーロッパと書きましたがEuropeanaはあくまでEUです。EUではない国は参加していません。
  • 国家予算の1%という数字は多いのかと疑問に思ったので日本と比べてみました。21年度予算において文教関係費が占める割合は0.1%でした…フランス恐るべし、日本が少ないのか?!(http://www.mof.go.jp/seifuan21/yosan.htm 私は計算を間違えているのだろうか?)
  • 日本とは事情がずいぶん違うと感じました。連携は資料のデジタル化が大前提となっています。先月のARGカフェの公文書館のお話が頭をよぎりましたが、質問の際にも日本においては連携…以前だという意見もでました。ただ事情が違うとはいえ、「使えるデジタル資料は増やしていこう」という姿勢は大切だと思います。
  • ことばチェック
    • LUND原則
    • MINELVA、MICHAEL
    • インターオペラヴィリティ
    • CRM、マーチン・ドエル
    • アロウプロジェクト
    • 慶応大学のふみプロジェクト?
    • 凸版印刷

次の課題です。多いな…