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klarer-himmel13's diary

(旧)図書館の中では走らないでください!から

図書館システム勉強用―その1「次世代目録情報サービスの在り方について(最終報告)」前篇

勉強会と職場でのWGの関係で、目録と図書館システムの引き出しを増やしていこうと思い立ちました。大いに付け焼刃ですが、その1として、国立情報学研究所による次世代目録所在サービスの在り方について(最終報告)について、まとめていきます。

この最終報告は同タイトルの中間報告の発表後、パブリックコメントを受けて修正、発表されたものです。構成は大きく3つに分けられます。

要旨
はじめに
1 資料:電子情報資源への対応
2 システム:データ構造とデータ連携
2.1 書誌データとデータ構造
2.2 データ連携:APIの公開と課題
3 運用:体制の抜本的見直しに向けて
3.1 NACSIS-CAT外に存在する書誌データの活用
3.2 共同分担方式の最適化に向けた見直し
4 ロードマップ
活動記録
参考文献等

要旨がありますので、それを読むと何となく分かったような気がします。…が、改めて自分の手で書いていきましょう。(100%己のためです。)


最終報告の時点では達していませんでしたが、NACSIS-CATの図書所蔵レコードが1億件を突破しました(2009/4/16)。NACSIS-CAT/ILLは図書館にとって(少なくとも私の職場では)欠かせない存在です。ただ、今の状態がこれからも続くのかと言えば、絶対とは言い切れないのかもしれません。その理由を以下に述べます。

  1. 電子的情報資源の拡大とそれにともなう情報の「粒度」の変化
    • 全文が検索の対象になるとすると、「何を」検索の対象にするのか(「図書」「雑誌」ではなく、一論文、一章を対象にするのか、など)
  2. 電子的情報資源の量的、質的両面での目録記述の困難さ
    • 単純に流通する情報が増加する
    • また、誰でも発表できる(学術性は別にして、このブログのように)
  3. 電子的情報資源間のリンク可能性の増大
    • リンクリゾルバはどこまで保証するか
    • 永続性、確実性(従来の目録?)と広範囲なカバー、迅速性がどこまで両立するのか
  4. 電子情報資源の増大に伴う利用者行動スタイルの変化
    • 目の前のパソコンで検索から入手までを可能にできるのか
  5. 図書館システムの複雑化
    • (次々に新しいものがでてくる)
  6. 参加機関における経営合理化の要請と業務の多様化への対応体制
    • 機関の「参加の仕方」の多様化
    • 大学図書館として、大学組織としての運営の問題

これらの問題に対し、今後の目録情報サービスのために解決するべき課題が報告されています。

1 資料:電子情報資源への対応

上記のどの問題ともかかわるが、3、4、5などは特に深いように思われます。例えば、電子情報資源の書誌データは少ない、その結果、契約上は認められている資料のILL利用が進んでいません。NACSIS-CAT/ILLというシステムを持ちながら、電磁情報資源に対しては、うまく機能していないようというのが今の状況です。
この状況に対して、電子情報管理システム(ERMS:Electronic Reasource Management System)と電子情報資源のメタデータを鍵として、次期システムでは従来の「所蔵」と電子情報資源の「アクセス権」を同様に扱える新しいシステムの構築となります。
ERMSについて、日本では導入実験が2年前に行われ、報告書が発表されています。それによると、このシステムは電子情報資源のデータ更新、ライセンスの管理、アクセス管理などを、既存のOPACやリンクリゾルバと連携して行います。ただし、ERMSには目録作成機能はないため、目録作成は図書館システムで行われています。現行のERMSやリンクリゾルバの知識ベース(出版社、あるいはベンダーがそれぞれの契約機関ごとに、アクセス可能な情報資源についてのデータベース)にもある程度の書誌的メタデータを含んでいるが、標準化を促進する必要があります。各機関がシステムを導入して管理するため、次期システムはNACSIS-CATとそれらのシステムが協働できるものでなければならなりません。各機関が管理のために導入しているように、NACSIS-CATにも知識ベース(国内知識ベース)が、また、現在の所蔵ファイルのアクセス権バージョンにあたるような電子情報資源データバンクも必要になります。これらのデータベース・バンクの中身となる情報は発生源入力が原則となるというのが、報告書の見解です。


以上、第一章でした。2章までいく予定でしたが、とりあえずここまでです。次は後篇…といいたいのですが、中篇になりそうです。最後にコメントを

  • ERMSの報告書も読まないといけない
  • KBとは知識ベースのことだったのか
  • どうしてアクセス権を「所蔵」と同じように扱わなければならないのか
  • 書誌データの方はどうなるのでしょう
  • 機関リポジトリなどの発生源入力は想像つきますが、海外の資源の場合、準拠するルールは何だろう?
  • どの機関も同じように管理システムを導入できないとしたら、それにも対応しなくてはならないのか