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klarer-himmel13's diary

(旧)図書館の中では走らないでください!から

Web of Science アップデートセミナー

6月12日(金)@京大会館
言わずとも知れたトムソンロイター社のWeb of Scienceのセミナーに参加してきました。
同じ週にありました東京で開催されたセミナーのダイジェスト版です。
以下、参加報告と気付いたことを書き出していきます。

Web of Scienceアップデートセミナー

  • Web of Scienceの基本概要(トムソン・ロイター セールスマネージャー 甲斐眞佐美氏)
    • Web of Scienceとは
    • 3つのコンセプト
      • 選択的であること
      • 中立的であること
      • 網羅的であること
  • Web of Knowledge最新情報(ムソン・ロイター グローバルセースルサポートマネージャー Paul Torpey氏)
    • 深くさかのぼった過去データのメリット
    • 会議録文献の追加―Conference Proceedings Citation Index(CPCI)
    • Journal Citation Reportsの概要及び新指標について
  • ISI Web of Knowledgeの今後の予定(トムソン・ロイター セールスマネージャー 甲斐眞佐美氏)
    • インターネット講習会
    • キャンペーンのお知らせ

全世界で4,000以上、日本においても110機関で利用されているWeb of Science(以下WoS)ですが、アップデートにあわせて各地でセミナーを開催されているそうです。利用機関への出張講習会も行われているそうですが、講習会は場所が限定されるためにインターネット講習会もこのたび、行われることを知りました。チャットでの質問を受付となるそうです。録音版もあるので、受講のみであれば時間も限定されずに可能です。実際に対ヒトで行う講習会のメリットとインターネット講習会が両立されるようになればいいな、と思いました。
さてWoSの内容についてですが、前半は基本的な仕組み、後半はアップデートの説明という内容でした。他の引用文献データベース(SCOPUS)の出版社別のジャーナル数、論文数、収録年などと比較しながらWoSの3つのコンセプトがうまく説明されている思いました。

3つのコンセプト
  • 各専門分野の担当者が質の高いジャーナルを選定(選択的)
  • 選定基準を維持(中立的)
  • 選定したジャーナルに関しては一貫した索引方針を持っている(網羅的)
WoSの新しい機能
  • 新しいデータベースの追加
    • Conference Proceedings Citation Index(CPCI)(会議録文献)
    • A Century of Social Science(CoSS)(社会科学分野の1900-1955年の索引バックファイル)

CoSSによって社会科学分野も1900年から引用分析が可能になるそうです。過去データにアクセス可能のメリットとして、キーワードの意味の変遷、それゆえキーワード検索では拾うことのできないワードの発見が挙げられます。

Journal Citation Reports(以下、JCR)の機能
  • BIOSIS Citation Indexの追加
  • Citation Score Card
  • 5年インパクトファクター
  • Rank in Category
  • Category Box Plots
  • Eigenfactor Metrics

Eigenfactor Metricsは学術雑誌の評価指標ですが、JCRとの違いは引用ごとに重みづけが異なっている点だそうです。つまり、より重要な雑誌に引用されることが評価をあげるというわけです。Eigenfactor MetricsもJCRと同様、分野をまたいだ比較ができません。
また、Rank in Category、Category Box Plotsはそれぞれのの分野(Category)でインパクトファクターがどのような意味を持つのか、ということを比較する図書館員の蔵書構成のツールとしても使えると説明されました。


そのほかに検索精度の向上、研究者個人の評価(H-Index)、ResearcherIDという研究者コミュニティ、日本語への対応などがあります*1

私はWoSやJCRを研究者として使うわけではありませんので、今回、セミナーに参加することで「そういうものだったのか」と単純に納得することが多かったです。
また、JCRやH-Indexの重要性とその限界についても考えさせられました。トムソンロイターの方いわく、研究者の方にH-Indexについて質問を受けることが増えてきているそうです。シンプルな計算式と数値での評価はとても魅力的ですが、一面的でもあるというお話もありました。
全体の感想としてこういうセミナーの度に思うのですが、使ってほしい、(自分も)何かに使えないかしらということです。学部1回生だろうが院生さんだろうが、使わない手はないでしょう!という思いです*2
という訳で、来週は勤め先の大学にトムソンロイターの方が講師にいらして、講習会が開催されます。アップデートセミナーに行ったあとですが、参加できたら参加してみたいです。

*1:H-IndexやResearcherIDなど、研究者個人へ視点が移りつつあるのを見ると、[http://rns.csc.nii.ac.jp/:title=研究者リゾルバ]などとの絡みを考えるとおもしろいのではないのかな、とぼんやり考えます。もしかしたら、すでに始まっているのかもしれませんが…

*2:自分が使わなかったという自責の念もこもっています