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klarer-himmel13's diary

(旧)図書館の中では走らないでください!から

ERMS Verde(Ex Libris社)の特徴を拾ってみました(電子情報資源管理システム(ERMS)実証実験 平成20年度報告書より―その1)

電子情報資源管理システム(ERMS)実証実験 平成20年度報告書が公開されました。(修正版は6/29に公開済み)
同報告書は。19年度版もありますので、そちらから読んだ方が筋ですが、ここは20年度からいきます。
今回の実証実験では、Ex Libris社のVerdeおよびSerial Solution社の360 Resource Managerを使用しています。また、導入事例報告としてInnovative Interfaces社のElectronic Resource Managementも紹介されていましたが、このシリーズ(?)では前述の2社の製品の報告を読んでいこうと思います。
NACSIS-CATの報告書も第二章を放っておいてますし、色々と投げていますが…
そもそもERMSとは「Electronic Resource Management System」の頭文字です。電子情報資源のライフサイクルは、発見→トライアル→選択→購読→アクセス手段の提供→更新もしくは継続の決定*1となっており、Verdeはそれらの各段階で必要とされる各業務のワークフローを管理するそうです。
また、ODLISによると「第三者が電子的に出版し図書館で契約した情報資源(データベース、電子ブック、電子ジャーナル等)を、図書館員が管理するために支援を行う用途で開発されたシステムで、ライセンス管理、更新、法廷利用、アクセス管理および蔵書構築を含む」とされています。
平成20年度の実証実験は、19年度をうけて、各実験参加館であげられた課題を中心に行われました。また、19年度の参加館とは状況の異なる図書館にも実証実験に加わったそうです。
実証実験に参加した機関の報告から始めます。課題、評価などから共通する特徴が整理できたらいいな、というのが動機です。OPACをはじめ、図書館のサービスとして電子リソースを従来の冊子媒体のように、冊子媒体と同じように扱うというお話をよく耳にします。そのために裏でどのような仕掛けがあるのか、それを知るための一つとしてこの実証実験の報告書を読んでいきます。導入事例報告もありますが、量にめげてしまい、今回は実証実験に限りまとめていきます。読み間違いだ、解釈がおかしい、まとめ方が乱暴だ、などコメントを頂けるとしたら幸いです。はたしてまとまるのか、あるいは「その何」まで続くのか…不安です。。
まず、実験に参加した9機関のうち、Ex Libris社のVerde*2を導入した機関は北海道大学筑波大学千葉大学名古屋大学農林水産省農林水産研究センターです。
報告書を読み、複数の機関で取り上げられた点、上記の電子リソースのライフサイクルに関連しそうな点、個人的な観点から以下のようにまとめました。また、「特徴・メリット」「課題・要望」という区分はシステムそのものの良し悪しではなく、そのように評価されていた(ように読めた)ということにご注意ください。

特徴・メリット カウント*3 課題・要望 カウント
全体 SFXとの連携から選択。*4から選択 5 日本語のマニュアル、インターフェイス 4
全体     入力項目が多いため、項目の選定が必要*5 5
全体     システムへのデータ取り込み、システムからのデータ抽出 1
発見 KBからのデータのローカライズ 3 ERMS のタイトル網羅性、収集方針などの把握 1
トライアル EJの情報を共有、管理、修正→SFXに反映がスムーズ 4    
選択 EJの情報を共有、管理、修正→SFXに反映がスムーズ 4    
購読 複数の予算による分担を管理 3 レート換算機能がない 1
購読 契約の変遷を管理 2 EJ+Pの契約場合、Pの受入、清算、戻入処理ができないため従来の図書館システムとの二重の管理 3
アクセス手段の提供 ライセンス関連情報を整理しサービス系部署と共有 3
アクセス手段の提供 EJの情報を共有、管理、修正→SFXに反映がスムーズ 4 入力、参照等の権限と制限 3
アクセス手段の提供 障害状況、不正アクセス状況を記録 3
更新・継続 統計機能 カウントなし*6 部局負担の情報が次年度のデータに引き継がれない 1
更新・継続     契約年度という区分が必要 1
運用面     図書館システムとの連携、すみ分け 5

*1:伊藤祐之.電子情報資源管理システム(ERMS).情報の科学と技術. Vol.55,No.6,2005, p.271-275

*2:Verdeは現在では株式会社リコーとユサコ株式会社の2社が日本のEx Libris社製品の販売・サポートの提供の代理店として取り扱っています。

*3:1カウント=1機関です。また、直接言及してない場合も作者の判断でカウントした個所もあります。

*4:ERMS,リンクリゾルバはともにKBの実装を前提としているようです。(増田豊.ERMSとリンクリゾルバーによる電子ジャーナル業務支援 (特集 外国雑誌再考).情報の科学と技術. Vol.59,No.6,2009, p.268-274)他社のリンクリゾルバとの連携も課題となるかもしれません。

*5:そのためERMSの導入際しては、負担が大きいため費用に見合う効果が得られるか慎重になっているようです。

*6:実験後に追加された機能のため