読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

klarer-himmel13's diary

(旧)図書館の中では走らないでください!から

新しい時代の図書館研究会第4回研究交流会.

行ってきました 図書館

新図書館ラボが主催された、新しい時代の図書館研究会第4回研究交流会*1へ参加するために、奈良県立図書情報館へ行ってきました。下の写真は当日、図書情報館を撮影したものです。


近鉄大宮駅からバスで10分程度のところ、住宅街の中にパッと広がった場所に図書情報館は位置していました。
第一印象は、庭が広い(ここで何ができるだろう)、バス停から少し歩くため若干迷う、人の出入りが盛んなどでした。
奈良県立図書情報館は今年度のLibrary of the Year 2009において、優秀賞を受賞されました*2。1階入口を入ってすぐのエントランスに、盾が飾れられてありました。ここではコンサートを行うこともあるそうですが、今回は大きなモニターとたくさんの座席が並べられてありました。不思議に思ってお聞きしたところ、翌日に、「魏志倭人伝を読む・纒向遺跡を掘る」という企画が予定され、定員300人ところに、1,200名からの申し込みがあったため、開場に入ることのできない方のために開場の様子を中継する席が、特別に用意されているということでした。
今回のレポートは個人的な感想が所々に顔をだしていますので、間違い、不適切な箇所などがありましたらコメントやご連絡いただいけると幸いです。

概要:
図書館の「使い方」を考える。Vol.2
奈良の歴史や文化を軸にした多彩なギャラリー企画、
ユニークな地域連携の取り組みによって、注目を集める
奈良県立図書情報館の事例を基に、
これからの図書館の「使い方」を考えます。

日時:2009年12月12日(土)14:00〜17:00
会場:奈良県立図書情報館

プログラム:
14:00〜14:10 挨拶&趣旨説明
14:10〜15:00 施設見学
15:00〜15:10 休憩
15:10〜15:40 会場館からの事例報告
15:40〜16:40 ディスカッション
16:40〜17:00 まとめ
17:30〜    懇親会(※別会場を予定)

趣旨説明

奈良県立図書情報館の方から、館の紹介をしていただきました。その紹介にPVが用いられました。そのPVは館内の設備*3を利用して職員の方によって制作される、という二重の広報になるというPVでした。

施設見学

奈良県立図書情報館の評判はかねてから耳にしていましたし、Library of the Year 2009の受賞のニュースもあり「最先端」という印象が強かったのですが、いい意味で私の思い込みでした。
情報館のパンフレットのトップには
想いをかたちに―「図書情報館」は知的交流の舞台へと進化します。
と書かれています。

図書情報館は、過去の文化の光芒を伝える古典籍から、ダイナミックに変貌する最先端の情報を写し取る現代の電子メディアまで、多様な形態をもつ資料が使いやすく整理されて集積している空間です。さらに、世界規模で広がっているコンピュータ・ネットワークが、図書情報館を世界中の図書館とつなげています。図書情報館は、情報共有の場として、所蔵する資料ばかりでなく、国内外の厖大な資料や情報を人と結びつける場です。*4

2階の正面入口を入るとまず広いエントランス、その一角では「企画展示 本を大事にする心、読み継いでいく心を伝えよう 本をなおす、本を残す、もうひとつのエコ展」*5が開催されていました。入り口を入るとまず、情報関連の図書資料が集められていました。その近くには「クリスマスは絵本と一緒に」というテーマで図書展示コーナーが設けられていました。
奈良県立図書情報館の簡単な説明として、主に以下の点をあげておきます。

住所:〒630-8135 奈良市大安寺西1丁目1000番地*6

大きな地図で見る

  • 1階
    • 書庫(すべて自動書庫)
    • 交流ホール(有料)
  • 2階:様々な情報機器を駆使しつつ、自ら学び、創造していくという情報の利活用をイメージした空間
    • デジタルスタジオ、オーサリングルーム、セミナールーム(有料)
    • アトリエ
    • AVコーナー
    • 新聞、雑誌コーナー(一般向け)
    • 国際交流資料(英語をはじめとした外国語資料)
    • カウンター
    • 点字・音声出力室、対面朗読室
  • 3階:文献資料を中心とした空間
    • 資料スペース
    • 専門資料スペース
    • 戦争体験文庫
    • ふるさとコーナー

見学の最中は施設の充実ぶりが目に入りました。デジタルスタジオは利用の頻度が高いそうです。同じく、展示の充実ぶりも群を抜いているのではないでしょうか。上述した展示を含め、ケースを用いる展示から書架の間に設けられた展示まで、館内にはさまざまな展示が行われていました。お聞きしたところ、年間60回にわたって企画されているそうです。館内のみで行うのではなく、民間企業や行政機関、図書館と協力した展示も行っているそうです。展示だけでなく、相談会やイベントも行っています。ひとつの例として「第2回「自分の仕事」を考える3日間」というイベント*710年1月9日-11日にかけて予定されています。仕事や働き方をテーマにゲストを招く、フォーラム形式のトークセッションです。これにあわせて展示会やホテル日航奈良とコラボレートした宿泊プランも用意されています。なお、過去に行われたこのイベントは本としても出版されています。amazon: 自分の仕事を考える3日間
オーサリングルームにはB0まで印刷可能なプリンタやイラストソフトが利用可能になっています。またセミナールームではITサポーターズによるパソコン教室が開かれていました。彼らはボランティアではなく情報館を利用してイベントを開催する利用者です。利用者を触発し、巻き込み、新たな知の蓄積へと発展させる情報館の試みのひとつであります。
情報館の特徴は、と一言でまとめることは難しいですが、館外へ自らを開放し、融合しているという印象がとても強かったです。コラボのイベントやITサポーターズを例に情報利用者を収集の対象となる情報発信者にもするという試み、館を離れて情報発信など。
雨宿りに情報館に駆け込む地元の学生さん、併設してあるカフェでの相談会に訪れている人、ブラウジングコーナーで本を読む人、オーサリングルームへ入っていく人、PC前でなにやら製作中の人、そして離れたところから情報館のイベントブログを読む人など、この奈良県立図書情報館には様々な使い方がありそうです。そしてここを使うと、何やらよさそうだと思わされる見学会でした。
続いて事例報告とディスカッションへと移ります。今回の研究交流会の特徴として、ディスカッションの時間が多くとられていたことが印象的でいた。20名に満たない参加者のためか色々なお話を聞く、さらに発言の機会までいただき感謝しています。イベントでなかなか発言できない者としては、たいへん勉強(練習)になります。

会場館からの事例報告

上述の奈良県立図書情報館の紹介と事例報告は重なる点もあるため、簡単にご紹介します。そもそもこの情報館は図書館ではありません。「図書情報館」という名称は計画発足時から計画に盛り込まれていたそうで、奈良県の条例にも「図書館」をせっちするという項目はありません。ただ、奈良に県立の図書館(に近い施設と私はあえて表現します。)を設置するときに市立図書館との役割分担を考え、この図書情報館のコンセプトが出来上がったそうです。
キーワードは、「ニーズに対応する」から「ニーズを創り出す」へ。触発する(される)、交流する主体、交流の舞台、そのための連携、さらに情報の編集、再編集。

ディスカッション

ディスカッションで出された面白い発言を拾っていきます。参加者、主催者、情報館の方からの発言をきちんとメモできておらず、混ざっていますのをおゆるし下さい。

  • イベントごとに関係性があると面白いかも
  • 過去のイベントのアーカイブ(他館の参考になるし、そのアーカイブそのものがイベントにもなる、過去のイベントポスター展など)
  • イベントを他の市町村立図書館へ配信できないか
  • 奈良のパワーを見出し、発信したい
  • やろうと思えばできる。日常業務に囚われていることが悔しくないですか
  • 公共図書館の敷居の低さを利用したい
  • 敷居が高い館はその高さについて考えてみて下さい、自ら作り出していませんか
  • 図書館の物販は意外にもうからない(図書館へお金を持っていくという意識があまりないため)
  • 図書館だからできることを考える。例えばビジネス支援について、「働くとは?」という根本からのアプローチは他ではできない

1時間のディスカッションでは足りないほどの内容でした。
色々、印象に残ることはありました。特に、大学図書館には教授や学生さんなど発信できる専門家はたくさんいるはずだ、地域貢献する対象である地域を本当に見ていますか、という意見をいただき考えさせられました。地域貢献についてはこの記事で書ききれなさそうですので、別に考えたいと思います。少しだけ思うことは、奈良県立図書情報館のパンフレットには、建設工事にかかわった事業者を記載してあること、地元のお店と積極的に連携していることなども地域貢献であると思います。
懇親会はミラノ食堂というお店で、イタリア料理をいただきました。このお店もまた情報館と連携したイベント、開館2周年記念 tribute to 光明 Fashion Show*8で協力されたお店です。
主催された新しい時代の図書館研究会、奈良県立図書情報館、参加者の皆様、貴重な会をありがとうございました。

*1:参考「新図書館ラボ」より:http://shintoshokanlab.kobe-du.ac.jp/node/34317 (accessed2009/12/16)

*2:参考「知的資源イニシアティブ(Intellectual Resource Initiative)」より:http://www.iri-net.org/loy/loy2009.html (accessed2009/12/16)

*3:後述しますが、図書情報館には録音や編集、印刷などができるデジタルスタジオやアトリエ、オーサリングルームなどが有料/無料で利用できます。

*4:奈良県立図書情報館パンフレットより

*5:参考「奈良県立図書情報館 イベント・企画展示情報 ブログ」:http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-312.html (accessed 2009/12/20)

*6:余談ですがキリの良い番地だと気がつきました。

*7:参考「奈良県立図書情報館」HPより:http://www.library.pref.nara.jp/event/talk_2009.html (accessed2009/12/20) 

*8:参考「奈良県立図書情報館」HPより:http://www.library.pref.nara.jp/event/koen_2007.html#MIRANO (accessed2009/12/20)