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klarer-himmel13's diary

(旧)図書館の中では走らないでください!から

機関リポジトリについてのメモ書き−SCPJについて

雑記 調べてみました

機関リポジトリについてのメモです。このブログにアクセスいただいた方にとっては今更な話題で申し訳ないです。
機関リポジトリとは、国立情報学研究所による次世代学術コンテンツ基盤共同構築事業によると「大学とその構成員が創造したデジタル資料の管理や発信を行うために、大学がそのコミュニティの構成員に提供する一連のサービス」です。*1また「大学、研究機関における、機関リポジトリを通じた学術成果の蓄積と内外への発信のための情報共有を促進し、これを後援すること*2」を目的としたデジタルリポジトリ連合(Digital Repository Federation(略称DRF))という各館を越えた組織があります。

以前、知り合いの研究者の方と機関リポジトリについて話をした時に、事務的処理も含めて、権利関係についてよく分からないなと思うことがました。著作権と機関リポジトリという点から、SCPJ(Society Copyright Policies in Japan)について気になったことをあげてみます。
SCPJプロジェクトは2006 年7月に、国立情報学研究所の委託事業として筑波大学千葉大学神戸大学により発足し、2008 年度からは東京工業大学が加わりました。学協会のオープンアクセスに関する方針(OA方針)について調査、「学協会著作権ポリシーデータベース」(SCPJデータベース)を作成・公開、学協会を対象としたOA方針に関する個別相談会等を行っています。*3
学術雑誌に掲載された論文を機関リポジトリに登録するためには、著作権のうち複製権・公衆送信権について承諾得る必要があり、多くの場合の著作権者である出版社・学協会の許諾が必要となります。
SCPJの前身とも言えるデジタルコンテンツ・プロジェクト*4の他に、千葉大学(2005年2月)と東京工業大学(2006年6月)からも独自に調査した結果が発表されています。
SCPJデータベースは約2,100の学協会のOA方針を検索できるデータベースとなっているそうです。英国ノッティンガム大学の運営するSHERPA/RoMEOを参考に、Green・Blue・Yellow・White・Grayの五つに分類しています。
SPARC Japanニュースレターで、SCPJの課題に、「学協会がOA方針を策定するうえで手掛かりとなり得る情報を提供すること」と「SCPJプロジェクト及びSCPJデータベースの認知度の向上」があげられています*5

研究者がはじめて機関リポジトリへ研究成果を登録しようとした時、(制度的/技術的な点を割愛すると)まず自分の所属機関のリポジトリにアクセスするとして、登録しようとしている研究成果の著作権やその事務処理などについて、どのような説明がされているのだろうと思い、調べてみました。

勘違いや見落としも多いかと思いますが(あるいは、すでに調査されているのかもしれません…)、提供者の手続き、SCPJとSHERPA RoMEOへのリンクの有無、登録後の著作権の保有者について、各サイトからたどっていくことができて、かつ、明記してあるものをカウントしました。
日本の全機関リポジトリを調べるのは量の多さもあり、DRFにて運用指針一覧を公開している機関*6に絞って、各リポジトリにアクセスしてみることにしました。

ただし、2010/4/25現在、大分大学のリポジトリにアクセスできないため、残りの27機関について調べてみました。
手続き:25 / SCPJとSHERPA RoMEOへのリンク有:18 / 著作権の保有者:23

学外者としてアクセスしたため、学内限定やログインする必要のあるページは確認できませんでした。それを含めると上記の数字はもう少し変わるかのしれません。

各機関リポジトリのコンテンツ登録者への説明は、しっかりまとめたものと、登録にターゲットを絞って一覧するパターンが多いように感じました。
横浜国立大学学術情報リポジトリ 説明サイト」「京都大学学術情報リポジトリ総合案内サイト(登録の方法など)」「九州大学学術情報リポジトリ」を前者の、長崎大学の「NAOSITEに文献を登録・公開するには」、同志社大学の「リポジトリへの登録手続き(本学研究者の方)」を後者の、両者の中間として「新潟大学学術リポジトリ」の説明をそれぞれの代表としてあげます。

再び、SPARC Japan NewsLetterの記事から

最近1年間(2008年10月〜2009年9月)のSCPJデータベースのアクセスログを分析したところ、1か月平均28,000件の安定したアクセス数を保っていることが確認された。そのうち検索エンジンからのものを除くと、最も多いのは約2割を占める日本国内の大学(ac.jpドメイン)からのアクセスで、研究者から提供されたコンテンツについてOA方針の確認作業を行う機関リポジトリ担当者からのものと推察される*7

機関リポジトリへ関心が集まり、それと関係の深いSCPJ認知度の向上、プロジェクトの促進につながればと思います。
SCPJデータベースは検索・閲覧機能の他に、API機能や統計、スタッフ限定ですがポリシー情報をエクスポートや編集できる機能も使えそうな機能であり、またOAへの対応は各学協会にとっても参考になる情報ではないかと思いました。実際にこのデータベースに登録している学協会、データベースの利用実績も気になる点です。

*1:http://www.nii.ac.jp/irp/about/ (accessed 2010/4/24)

*2:http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?Article (accessed 2010/4/24)

*3:http://scpj.tulips.tsukuba.ac.jp/info/aboutscpj.html (accessed 2010/4/24)

*4:電子図書館機能の高次化に向けて−学術情報デジタル化時代の大学図書館の新たな役割−(デジタルコンテンツ・プロジェクト中間報告書)2005年6月 国立大学図書館協会にて結果を報告 http://wwwsoc.nii.ac.jp/anul/j/projects/si/dc_chukan_hokoku.pdf (accessed 2010/4/24)

*5:斎藤 未夏. SCPJプロジェクトの取組み -学協会のOA方針の策定支援を目指して-. SPARC Japan NewsLetter. 2009, no.3 より http://www.nii.ac.jp/sparc/publications/newsletter/html/3/fa1.html (accessed 010/4/24)

*6:http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?%E9%81%8B%E7%94%A8%E6%8C%87%E9%87%9D%E4%B8%80%E8%A6%A7 (accessed 2010/4/24)

*7:斎藤 未夏. SCPJプロジェクトの取組み -学協会のOA方針の策定支援を目指して-. SPARC Japan NewsLetter. 2009, no.3