klarer-himmel13's diary

(旧)図書館の中では走らないでください!から

『町家で京都の図書館を考えるサミット』 with カーリル

このようなイベントに行ってきました。

『町家で京都の図書館を考えるサミット』 with カーリル
日時 7月9日(土) 15時30分〜(15時開場)
場所 京都リサーチパーク町家スタジオ(Nota Inc 京都オフィス)

普段、図書館とカーリルを使っている方が集まって、図書館やカーリルについてのポジティブな意見を交換しましょう。このイベントでは図書館の日常に光をあてて、図書館利用の工夫や楽しみを紹介していきたいと思います。
図書館について「こんな使い方があるんだ」といったことや「こんなユニークな図書館がある」といった新しい発見がありますよ。
利用者と司書が直接語り合える数少ない機会です。

当日は、新しい読書のスタイルを提案している方や、京都でたくさん図書館を回っている方、現役の司書さんをゲストにお招きします。
町家のまったりした雰囲気の中で、ゲストの話を聞いて、交流しましょう。

http://blog.calil.jp/2011/06/blog-post_29.html

うっかり、カメラを忘れてしまったので、写真は入口のみです。
この京都リサーチパーク町家スタジオは、1階がギャラリー部分、と2階がオフィスとなっており、Calilさんの京都オフィスもこちらに入っているそうです。
Ustreamに録画が残されていますので、こちらをご覧いただく方が早い気もしますが…
http://www.ustream.tv/recorded/15884500

今日のイベントはカーリルユーザさんをはじめ、「本」という関心事を持つ人たちによる「図書館」をテーマにしたお話でした。会場にはスタッフさんを含め、トータル30名程度いらっしゃいました。内、図書館で働く方は4,5名だったように思います。

トークショー

最初に立命館大学谷口忠大さんによる「ビブリオバトル」のススメをお話しいただきました。
ビブリオバトルとは、この基本ルールに基づいて行われる知的書評合戦です。

  1. 発表参加者が自分で読んで面白いと思った本を持って集まる.
  2. 順番に一人5分間で本を紹介する.
  3. 紹介された本について,それぞれの発表の後に2〜3分の参加者全員でディスカッションを行う.
  4. 発表参加者に紹介された本の中で「どの本を一番読みたくなったか?」を基準に参加者全員で投票を行い最多票を集めたものを チャンプ本 として決定する.

谷口さんはこのビブリオバトルを2007年頃から始められて、現在、ビブリオバトル普及委員会という団体でビブリオバトルの普及に尽力されているそうです。
これまで、大学の研究室で、図書館で、書店で、会社での初任者研修、さらには東京国際フォーラムで規模や参加者の異なるかたちで開催されています。
まず谷口さんは「情報共有」≠「データ共有」という点を指摘します。情報を共有するには、時に、じっくりとその文脈から理解する必要が生じます。情報共有を促すツールとして、ビブリオバトルが登場します。
ビブリオバトルは単なる書評にとどまらず、投票というゲーム性を加えることによって、単なる書評コンテンツの作成に加えて、良書探索機能やプレゼン力の向上、コミュニティづくりの促進が期待できます。
自分が印象に残ったビブリオバトルのポイントは、

  • わざわざ集まること
    • YouTubeなどでプレゼンを公開することも推奨されていますが、実際の参加とは印象が変わるそうです
    • 中継の場合、ネット票をチャンプ本にするかという課題もあるそう
  • 自分が好きな本について語ること
    • 本を通じて、自分を語り、相互理解を深めることができる
    • 直接自分について語るより、すでに言語化され客体化された本が向く
  • 時間は5分(長くても短くても×)
  • 投票は全員で(審査委員制度にしない)
    • 票はばらける傾向にある(母数にもよるが、0票というは少ないらしい)
    • どの人を評価するかで、その人となりを知ることにもなる
  • 何度も繰り返すこと
    • ビブリオバトルの先に、コミュニティづくりやキーワード検索とは異なる本の探索機能などを考えている
  • キーワード検索とは違った本との出会い
    • コンテンツはあるので、つながり方、見せ方の工夫のひとつがソーシャル機能
    • 人が読んでいる本は気になるし、おもしろい
  • もし、本以外のメディアを使う場合は今のルールをそのまま当てはめてもうまくいかないのでは
    • 論文でバトルをやってみてうまくいかなかった例から、コンテンツ依存性が高いのでは

最後について、人文・社会学系の場合、論文と図書(本)の境目はけっこう曖昧だったり、EBookの場合、章単位で購入する場合もあるので、その場合はどうなるのだろうということが気になりました。

座談会

座談会では図書館利用頻度、(京都の)図書館トリビア、いいなと思った取組、理想の図書館というテーマで進めました。
カーリルを活用する人、他に家族で図書館で行かれるという方、また使わず買う方や活字をあまり読まない方等を交えての図書館話でしたので、どういう方向で話が動くのか、予測がつきませんでした。
まず、京都の図書館トリビアは、京都御所の青空図書館?(木のうろにあるという噂)が受けていました。これ、もっとたくさんのライブラリアンを巻き込んでで寄せ集めたら面白いかもしれません。
本に関わるおもしろい取組や図書館も紹介されました。

BookCrossing
http://www.bookcrossing.jp/
自分が読み終わったところをゾーンと呼ばれる棚に持っていくと、だれかがそれを持ち帰って…というように本に旅をさせる取組。本を受け取った人はそのことを登録することで、今、その本がどこにあるのか、どういう旅をしているのかを知ることができるそうです。

カタリベカフェ
http://www.kataribecafe.net/index.html
参加者が好きな本を持ち寄り、お茶(時にはお酒)をいただきながら、お互いに本を紹介し合っておしゃべりをする

京都造形芸術大学 芸術文化情報センター ピッコリ
http://www.piccoli.jp/

本と人をつなげるしおり kumori
http://kumori.info/

座談会で話題になったこと

理想の図書館像で、ユーザさんライブラリアンの両方から貸し出し履歴の保存と利用が話題にのぼっていたのが印象的でした。また、本をそんなに読まない(読まなかった)人を図書館がターゲットにしてくれたら、うれしいという声も聞かれました。(例えば本の楽しみ方を教えてくれたり)

懇親会

雑多としていますが、箇条書きで(力尽き)

  • 人が集まるところ≠本に関心が集まる場所
    • どんな人がどのような本を求めているかリサーチして、提供すること
    • 古本市で古書店の場所と出品情報が見られたら
  • 脱サラして書店はじめました、となるか
  • Webに情報を公開すると意外なかたちで使われる
    • 人にこういうことをやっていますと説明しやすい。口コミの力に+できると思う>説明のしやすさ
    • それとは別に無線環境って重要だなと思った
  • お父さんが来る図書館