日本図書館研究会 情報組織化研究グループ月例会3月例会
4月18日@大阪市立浪速人権文化センター
発表者:渡邊隆弘氏(帝塚山学院大学)
2009年2月に発表されたIFLA「国際目録原則」*1ついて、発表していただきました。
- はじめに
- 策定の経緯
- 概要と構成
- 内容:逐次的議論
- 適用範囲
- 一般原則
- 実体、属性および関連
- 目録の目的および機能
- 書誌技術
- アクセスポイント
- 探索能力の基盤
- おわりに
1.はじめに
- パリ原則(1961年)の見直し
- 2003年から見直し作業
- 2009年2月「国際目録原則覚書」の発表
2.策定の経緯
3.概要と構成
- 「原則」の策定が目的
- 「オンラインによる図書館目録やその先にあるもの」に対応
- 適応範囲の拡張(ハードとソフトの両面から)
- FRBRモデルを基盤
4.内容:逐次的議論
1.適応範囲(Scope)
- 現行の図書館目録に対応
- 博物館・美術館などの他のコミュニティにも適応
- 書誌的資源(bibliograhic resource)の語をFRBRモデルのグループ1の実体(著作、表現形、体現形、個別資料)に定義
2.一般原則(General principles)
- Svenoniusの整理にもとづく原則
- 「利用者の利便性」が別格にあり、以下「用語の一般性」「表現性」「正確性」「充分性および必要性」「有意性」「経済性」「一貫性および標準性」「統合性」が連なる
3.実体、属性および関連
- FRBRなどを「考慮」
- FRBRの11実体を列挙
- 各実態を「識別(identify)」する属性が必要
- 書誌的に「有意(significant)」な関連が必要
4.目録の目的および機能
- 2008年になって、この章に「目的」が追加
- 4つのユーザテスク、「発見」「識別」「選択」「取得またはアクセスの確保」に「誘導」を加える
5.書誌記述(Bibliographic description)
- 体現形作成単位
6.アクセスポイント(Access points)
- 統制形と非統制形の2種
- 統制形には典拠形(いわゆる統一標目)に加えて名称の異なる形を含む
- 書誌レコードと典拠レコードに分けて選定
- 書誌レコード:著作/表現形、体現形、作成者の典拠形
- 典拠レコード
- 典拠形アクセスポイントとして、個人・家族・団体名(異なるアイデンティティ*2ごとに慣用名優先)と著作・個人名(一つのタイトルを優先)
- 個人名の形を決定する優先順位は簡略化
7.探索能力の基盤(Foundations for search capabilities)
- 「探索」と「検索」
- 探索:アクセスポイントの役割
- 検索:論理的順序による表示
- 中核的(essential)アクセスポイント
- 不可欠(indispensable)から修正
- 付加的アクセスポイント
5.おわりに(+感想)
- 「原則」であることの影響力の大きさと限界。あまり、細部を大きく動かすことが出来ない?
- FRBRモデルの影響が強く出ているように感じた