klarer-himmel13's diary

(旧)図書館の中では走らないでください!から

神奈川の県立図書館を考える会第2回勉強会「図書館協議会」(講師:平山陽菜さん)

今回はちょっと?異色なイベントに参加してきました。

日時:2013年6月15日 19:00〜21:00

2013年3月に筑波大学大学院図書館情報メディア研究科を優秀な成績で修了した平山陽菜さんに、同大学院に提出した修士論文「日本の図書館協議会に関する総合的研究」に基づくご講演を頂戴します。

主催:神奈川の県立図書館を考える会
会場:さくらWORKS<関内>
講師:平山陽菜(司書)

https://www.facebook.com/events/454853594599551/

Ustreamの録画
http://www.ustream.tv/recorded/34378545

神奈川の県立図書館を考える会第2回勉強会「図書館協議会」(講師:平山陽菜さん) #神奈川県立図書館 - Togetter
http://togetter.com/li/518899


おそらく上記をひと通りみれば記録はしっかり残されているので、ここでは記録というより自分の印象に残ったことを。

  • 図書館協議会について
    • 後半の質疑応答でもコメントされていたが、大学図書館の場合、図書館委員なるものが上位に組織されていて、そこから勝手に公共図書館にも似たような組織はあるものだと思っていた
    • 図書館法第15,15,16条に規定されているものの、知名度が低い(成立当初から)
    • 平山さんによると図書館界での知名度が低いが、近年の住民自治の重視により注目をあびつつあるという
    • 利用者懇談会やボランティアの会のような市民参加と同じようにみえるが、法で規定されている点と設置率の点で市民参加の基盤となりうる仕組みだと思う
  • 図書館法の成り立ち
    • ここの部分が(メインではないが)けっこう面白いなぁと
    • アメリカの制度を輸入しつつ、日本の情勢に併せて変化させ(それによって歪になったり)ていくのは、「図書館委員会の役割の比較の」スライドから感じられた
  • 協議会委員の属性
    • 50歳以上が8割を占める
    • 社会教育関係者、学校教育関係者、家庭教育関係者、学識経験者、公募委員
    • 都道府県立には学識経験者が占める割合が多い
      • 人材の問題か

人材は分母の問題なのかと思っていたのですが

これに対して、平成23年度の法改正より、「第12条 法第16条の文部科学省令で定める基準は、学校教育及び社会教育の関係者、家庭教育の向上に資する活動を行う者並びに学識経験のある者の中から任命することとする。」ということで、普通当該自治体で活動している人を選ぶでは、というコメントをいただきました*1

  • 情報公開
    • 公募は27.3%、傍聴50.5%、議事録の公開(ウェブサイト)23.6%
    • 公募は法律・条例などに規定されていないからという理由で実施されていない
    • 規模の小さい(ウェブサイトが無い)図書館では議事録が公開されていない
    • 情報公開は自治体の方針の影響している
    • 傍聴会に行こうと思っても情報を手に入れることが大変だったそう
  • 課題
    • 図書館業議会の設置、その後の維持
    • 図書館協議会がシンポジウムを実施した事例
      • 広報の一環として、協議会をイベントで活用する例は面白かったです
      • 情報公開の他に例えばどんな事例があるのか気になりました
    • ノウハウの実績
  • 質疑応答
    • 協議会の権限は市民が望む形であれば権限を持たしてもいいのか
      • 一方、今の立ち位置は市民と行政をつなげるからこそ
    • 社会教育委員会などに統合したため、廃止した事例も

平山さんの修士論文研究をもとにした発表でした。いずれ、修論は公開される予定だそうです。ぜひ読んでみたいなぁと思いました。

*1:参考:平成23年の図書館法改正 http://homepage2.nifty.com/kitanotosyokan/homepage/newpage080328.html